集合住宅のネームプレート

集合住宅のゲートに表示するネームプレートのデザインを担当しました。
プレートの材質は最も良く使われるステンレススティールで、文字部分をエッチング(腐食加工)し黒く着色する一般的な仕様。ただし、今回はプレート表面を仕上げないで素材のまま(B2)使用する事にしたのが初の試み。これは、設計のN氏が以前試みていい感じだった、とお薦めいただいた為。

エッチング加工をする千代田ネームプレート社から連絡が有ったのは、入稿後数日してからでした。表面に黒インクの汚れが付いて取れない、対策を相談したいとの事。そこで、現物を見て判断するために設計のN氏と加工現場へ向かいました。
確かに文字の周囲には拭き取った後が有り、他にも何カ所か汚れが確認出来ます。千代田ネームプレート社からの提案は、溶剤を使用しても跡は残るので、解決策としてその後表面を磨く(ヘアーライン)事にしたいというものでした。
未処理の素材感は失われますが、それが最良の対処法であると納得し従う事にしました。
一般的にはヘアーラインやミラー仕上のされている素材に加工をするので問題は起きないのですが、今回は未処理の素材ゆえのトラブルだったようです。
結果的には手作業のヘアーライン仕上が、不規則な艶を生み出し機械で処理した均一なものには無い味が出て面白い仕上がりになりました。今回は素材感を生かすために一般的な厚さの倍の5mmの材を使用しているので、表面を仕上げる装置には掛からず、必然的に手作業になったのが幸いしたのでした。

エッチングの現場は初めてで、一通りの行程を見られて良い勉強になりました。ここにも人の手が確かに存在している事を実感させられた一日でした。(J)
文字の周りにはっきりと拭き取った跡が見られる
表面の鈍い艶がシブくていいのに、生かせないのは残念


汚れをブラシと研磨剤で落とす

サンドペーパーでヘアーライン処理

見違えるように滑らかになった


上下の3点ずつのアクセントはドアーの意匠に合わせて

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